【統計解説】工程能力指数とは?の意味に、自信が無い方へ
こんにちは、コウヘイです。
本日は、工程能力指数についてご説明いたします。
工程能力指数は、製造業の品質管理で使われる方法。
- 聞いたことはあるけど実はよくわかってない、、
- 使ってるけどとりあえず1.33越えりゃOKなんでしょ、、、
みたいな「自信のない」方向けの記事です。
他のサイトにはあまりない「イメージ」を使った解説をしますので、しっかり意味合いを掴んでもらって、お仕事で役立てていただけると嬉しいです。
目次
工程能力指数をイメージで捉えてみる。
工程能力指数という数字では「バラツキ」と「規格値」の判定を行っています。
これが本質。
例えるなら、自転車で柵のない橋の上を走りきれるかどうかを数字で確認しようというイメージ。
どういうことかというと、この事例には2つの観点があり、それらを総合的に判断しています。
意味合いを分解すると、
自転車側
- ふらつき幅はどのくらいか
- そもそも真ん中を走っているのか
橋側
- 橋の幅はどのくらいか
ということになります。
自転車が橋から落ちずに走りきれる場合の要因もいくつかあって、
- 自転車がめっちゃフラフラしてても、橋の幅が広ければ自転車が落ちることはない
- 橋の幅が狭くても、自転車がまーーっすぐ走れば(スキルが高ければ)落ちることはない
少し高度になると、
- 自転車のフラつきが小さくても、橋の端っこギリギリを走っていれば、ふとした瞬間に落ちてしまう
- 橋幅が広くて、自転車がまーーっすぐ走れてたとしても、橋に対して斜めに走ってたらいつかは落ちてしまう
ということが考えられます。
なぜこんな話を長々したかというと、現場で「工程能力指数1.33あるからオッケー!」みたいな判断がまれに見られるためです。
その数字の意味をイメージでも捉えて、さらに数式で理解することで、同じ数字でも全然違う景色が見れるようになります。
数式に入る前に、数式をイメージで捉えてみる。
、、、で、式に入るところですが、ここでは数式もイメージ化してみましょう。
工程能力指数の根本的なイメージを自転車で例えるとこちら。
この数字が大きいほど、安全になる。
なぜかというと、橋の幅が広いと大きくなり、狭いと小さくなる。直感的ですね。
逆に自転車のふらつき幅が小さくなる(まっすぐ走っている)と数字が大きくなり、大きくなると数字が小さくなる。
自転車がふらつくほど橋から落ちやすくなるので、その傾向が数字に現れていることになります。
このイメージ、大丈夫ですか?
実際に数式で確認してみる。
これで準備はできましたので、実際に工程能力指数を計算していきましょう。2種類あります。
①Cp
USL:上限規格値(公差の上限)
LSL:下限規格値(公差の下限)
σ:標準偏差
規格幅が6σに対してどのくらいの幅を持つかという指標。
前提として
- 工程が管理状態にある(xbar-R管理図などで破断)
- 工程平均値が規格値の中心値と同じ
の2点があります。
前者もそうですが、後者が特にクリティカル。
残念ながら、工程の平均値が規格値の中心値と同じであることはほぼありません。
そこで、実務上ではCpに比べ次に説明するCpkがメインになってくると思います。
②Cpk
ただしちょっとトリッキー。
2つの数字の小さい方(危ない方)を採用します
Cpu(upperのUですね)
Cpl(lowerのLですね)
USL:上限規格値(公差の上限)
LSL:下限規格値(公差の下限)
σ:標準偏差
Xbar:平均値
Cpkは、規格と平均値の差が、3σに対してどのくらい大きいか(小さいか)を調べる数字になります。
まぁ通常1.33以上を目指しますね。
ただ工程能力指数は、法律で決まった数字ではなく、不良率と不良が出たときのリスクで決める値なのです。
具体的にどのくらいの不良が想定されるかというと
- 1.33:4σに相当。不良率0.07%。1万個に7個。
- 1.67:5σに相当。不良率0.0006%。100万個に6個。
となります。
ということで実務においては、不良が出た場合のコストを勘案し、検査方法について全数検査、抜き取り検査、関係者で合意できるなら検査レスという判断も工程能力指数次第ではありえます。
ということで、今回は工程能力指数について説明いたしました。
不明点、もっとここが知りたい、などございましたらいつでもご連絡下さい^^
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