【統計解説】品質工学(タグチメソッド)を確立した田口玄一の語る因子と水準(会社での実験をどこまで効率的にできるのか?)
こんにちは、コウヘイです。
統計や品質工学、実験計画法について色々と記事を書かせて頂いております。
はじめに
先日、品質工学(タグチメソッド)を確立した田口玄一氏が46年前(昭和51年、1976年)に出版した下記の本について一部抜粋して解説しました。
ほんまに発見しかありませんので、今回も同じ本から「すぐに役立つ」けど「知られていない」ことについての解説をします。シリーズ化しよう。
対象者としては
- メーカ勤務の開発or生産技術(場合によっては製造)で、普段の業務の非効率さが耐えられない。
- 大学で実験をしているけどまだまだ効率が悪くて全然結果が出ない(特に助手~助教の方に知ってほしい)。
といったところに置いています。
今回の内容
まず参考図書はコチラ。上下巻合わせて1000ページ以上あるのでお気をつけて。。
取り上げるのはp.123、「5 因子と水準」より。
(前述)実験に取り上げられた変数は一般に因子と呼ばれる.因子の数は実験によって異なるが実験計画法をうまく利用するという立場からいえば,少なくとも7~8個,一般にいくら多くてもよい。(中略)因子の数は、少ないよりは多いほうがよく、たとえ20~50くらいの因子があっても、数十の実験ですませることもできる。(後略)
※太字は原文ママ。
特に、ここ(下記)ってやっぱり衝撃じゃないかな、と。
たとえ20~50くらいの因子があっても、数十の実験ですませることもできる。(後略)
因子= ふりたい設計パラメータが20~50あったらもうお手上げじゃないでしょうか。
仮に設計パラメータが上記真ん中の35あったとして、それが部品10個の材料の種類、部品15個の機械の形状、部品10個の製造条件だったとしたら、それを実験して最適条件求めよう!となった瞬間に「えー、、、」ってなりますよね。
マジメに実験は無理そうなので、やるとしたら、とにかく経験のある人に聞いて、それぞれの設計パラメータで良さそうなところをエイヤと決めて、水準を変えやすいところもしくはコストに影響が大きいと思われるところ*1を2,3ピックアップしてちょっと変えてみて最適条件を見つける、といったところが関の山じゃないでしょうか。
それに対して、ここで議論しているように数十の因子が十数回~数十回で見通しよく実験ができるとしたら効果はめちゃくちゃ大きい(ですよね?)
p.126ではここまで言い切っています、田口玄一氏。
このように因子と水準は非常に融通性があるということをよく知っているということが生産試作やパイロットプラントの研究では大切である。そうしないと、直交表の実験をするのにあらかじめ予備実験をして実験が可能かどうかを調査するという全く馬鹿なことをやる研究者が出ることになるのである。(後略)
※太字は原文ママ。
いやー身にしみますね。直交表の実験をする際にはノリと勘でやるのではなく、
ロジックを着実に積み上げてスタートしましょう^^
ちなみに、因子と水準って何????となった方についてはこちらの記事もご参考にして下さい。
直交表、品質工学(タグチメソッド)、実験計画法 などで質問相談があればコメントお待ちしております^^
最後に、そもそもの話
例えばなにか気になるニュースがあった場合に、
- そのニュースが本当なのか?
- 違った見方ができないか?
- 危ないとしたらどのくらい危ないのか?
といったことを、データを使ってサッと確認できると便利。
データで確認なんて毎回やっていられない!と感じられるかもしれませんが、慣れてくると、ちょっと見ただけで「違和感」を感じ取れるようになります。
「違和感」のあるお話は、眉につばをつけて読んで(聞いて)、必要に応じて自分で確認するというサイクル。
もちろん仕事でも役立ちます。「データをロジカルに分析して定量的に結論を出すというスキル」があれば、
- 給料やボーナスが増える
- 圧倒的短時間で成果が出る
- みんなから一目置かれ、頼りにされる
など、メリットしかありません。
このブログでは、こういった統計的なお話をドンドンしていきたいと思いますのでぜひお読み頂けますと幸いです。
知りたいことがもしあれば、ここのコメントに記載頂いてもいいですし、下のアドレスからメールにてご質問頂いてもご回答させて頂きますので良かったらぜひ。今ならキャンペーンでプレゼントもご用意しています。
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*1:これ直感で決めたらだいたい間違えます。ここで本来気にすべきコストは製造コストのみではなく製品のライフサイクル全体を見据えた社会に与える影響