【統計解説】「因子」と「水準」って何!?分かりやすい例え付き(品質工学)
こんにちは、コウヘイです。
今回は、これから統計の世界に入ろう、とか、一歩入ったけどまだ右も左も、、という方に向けた記事です。
具体的には「因子」と「水準」という2つの言葉について説明していきます。
、、、統計ってとっつきにくい、、、ってなっちゃう理由の一つは、日常では使わない言葉が当たり前のように飛び交っていることもあるかもしれませんね。
ただ、こういった専門用語はわかれば簡単どころか、とても便利なので、ぜひご活用頂ければと思います。
はじめに
今日解説するのは「因子」と「水準」について。
まずは言葉の意味を説明。
続いてなんでこんな言葉あるの?について説明します^^
因子と水準の言葉の意味
まず事例
言葉の説明だけだとつらいと思うので、「最高の海老天を作る!」という事例で進めます。
左側が因子、右側が水準。
それでは、海老天を想像しながら読み進めてくださーい!
因子とは?
因子は、結果に影響を与えうる条件。
言い換えると、実験で変化させる項目の名前。
上の例だと、エビや衣の種類、油の温度。
水準とは?
因子の具体的な設定値。
同じく上の例だとエビの種類名や、衣の種類名、温度の設定値ですね。
因子をもっと細かく分けると(上級編)
品質工学という分野では、因子を大きく4つに分けています。概要を説明すると、、
制御因子
要は設計パラメータ。
設計者が意図的に設定可能な要因のうち、一度決めたら変えないもの。システム構成に用いられる。海老天の例で出した因子のうち、エビの種類と天ぷら粉はこれかな(温度もそれ以降変えないなら制御因子)。設計パラメータともいう。
信号因子
要はお客様の設定値。
設計者が意図的に設定可能な要因のうち、システムを作ったあとも自由に水準を設定できる因子。システム構成後も変更できるもの。海老天の例でいうと温度。
誤差因子(ノイズ)
要は実使用時に変わってしまい、コントロールできない因子。
言い換えると設計者が水準を設定できるが、自由に選択できない因子。外的温度や劣化、使用環境など。海老天の例でいうと室温とか。通常たくさんあるので、ノイズの調合といってうまいこと集約することもある。
品質工学では、誤差因子(ノイズ)の影響をいかに減らすかに主眼を置いています(ロバスト性を高めると言います)。
標示(ひょうじ)因子
制御因子と同じく、水準を選べるけど、最適値に意味が無い場合に標示因子と名付けて区別する。
これはちょっとトリッキー。上の3つ(制御因子、信号因子、誤差因子)は必ず出てくるのに対し、これはやむなく出てくる場合がある(=毎回は出てこない)。海老天の例だと、コンロの種類とかになるかな。コンロ毎に最適条件を出さないといけない場合があったら、標示因子に入れる。
そもそもなんでこんな言葉があるの?
実務上のメリットでいうと、因子と水準を明確に区別することにより、コミュニケーションの効率向上につながります。
実際に実験の話をしていると、因子と水準が混同されてしまい、それが混乱の元になったりします。
例えば、エビの種類の話(水準の話)をしているつもりが、いつの間にか、そもそもエビなのか?イカじゃないの?という話(因子の話)になってたりする(こう書くと嘘みたいですが、、、)。
そんなときに、因子の話と水準の話に切り分けて整理すると、実験の内容をきれいに整理できることが多い。
ということで、確かに慣れるまではめんどくさいと思います。専門用語*1。
ただ、「因子」と「水準」の概念を抑えておくと素早く、的確に、実験内容を整理できるようになります。
さらに、相手がプロなら「因子」と「水準」の言葉を適切に使えばコミュニケーション速度も上がるので更に効率アーップ!
さっかくここまでブログを読んでくれてる本気のあなたなら、ぜひ効率アップにはこだわっていきましょう^^
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*1:言葉自体にこだわって言葉遊びになったら本末転倒!