【統計ニュース解説】武漢の新型肺炎拡大中。。マスクのウイルス感染予防効果について考察
はじめに
新型肺炎(コロナウイルス)がいよいよパンデミックになりそうな雰囲気がでてきてしまっていますね。
日本のメディアもなかなかの盛り上がりですが、ここまでの広がりなどを考えると、まだまだこんなものではなさそう。
春節(中国の旧正月)前という時期が最悪やったな、、暴動を恐れてあえて初動を遅らせたのかとか邪推したくなる。。
やっと武漢を封鎖しているみたいで、封鎖しないよりはした方がいいのでしょうが、今更感が凄いです。。
知り合いの人も、会社の同僚がつい最近武漢に出張してたらしく、遠い世界のようで意外と近い。
ということで、予防にはマスクというイメージがありますが実際のところどうなのでしょう、、、ということで調べてみました。
マスクの効果を統計的に検討した論文
やっぱりみなさん興味があるみたいでしっかりと調査された論文がありました。
2010年。
ウイルスという観点ではコロナウイルスも一緒と捉えていいのかはわからない。空気感染力によって違うか。
ともあれ参考にはなるとして、抄録(論文の要約)を噛み砕いてみようと思います。
マスクを着用することがインフルエンザ感染予防に有効であるというエビデンス(科学的根拠)があるのかEBMの方法により検討した。
マスクって効果あんの?という科学的な根拠があるのか検討しましたよ、と。
そのため本学図書館から利用できる医中誌, JMEDPlus, 医学・薬学予稿集データベース、日経メディカルオンライン、MEDLINE, Cochrane Libraryを検索し、インフルエンザと呼吸器感染症に対するマスク着用の予防効果について、臨床論文を抽出しエビデンスを評価した。
色んなデータベースを活用して、インフルエンザがマスクで予防できるかについての根拠を評価しました。
マスク着用がインフルエンザや他の感染症予防に有効であることを検証した推奨度A、エビデンスレベル1bのランダム化比較試験のエビデンスはない。
残念ながら、、、マスク着用がインフルエンザや他の感染症に有効であることを検証する、ちゃんとした根拠はなかったです。。
これまでマスク着用のインフルエンザ感染症予防を検証するランダム化比較試験が香港とシドニーで実施されたが、いずれもマスク着用と非着用のインフルエンザ感染発症率に統計的有意差はなかった。
香港とシドニーで実験が実施されましたが、マスクつけてもつけなくてもインフルエンザの感染発症に差があるとは言えなかった。。
推奨度B、エビデンスレベル2aの観察研究ではインフルエンザ予防に有効であることを示す非ランダム化比較試験とコホート研究のエビデンスがある。
少し信頼度が下がる(行うよう勧められる/ランダム割付を伴わない同時コントロールを行うコホート研究)ものでは、インフルエンザ予防に有効である、というデータもある!これはマスク派には嬉しい。
また、SARS感染予防に有効である可能性を示唆する推奨度B,エビデンスレベル3aの症例対照研究のメタアナリシスによるエビデンスもある。
もうちょっと信頼度が下がるものだと、SARSの感染予防に有効かも、、、という根拠があった。メタアナリシスは、既存の論文を集約して再度分析するものでここ最近流行りですね。
一方、手洗いの小児肺炎などの感染症予防効果については、推奨度A,エビデンスレベル1bのランダム化比較試験のエビデンスがある。
手洗いによる感染症予防に関しては、強く勧められる!レベルの根拠がある!
手洗い凄い。
WHOや米国CDCのインフルエンザ予防ガイドラインはマスク着用よりも手洗いを重視しているが、これは両者の予防効果のエビデンスレベルの違いを反映させたものである。
最後に。WHO(世界保健機関)やアメリカ疾病予防管理センターは、マスクよりも手洗い重視。
これは今までの根拠をみて、そうしている。
まとめると
- マスクの予防効果→微妙
- 手洗いの予防効果→凄い
となります。
こういった科学的なデータからすると、イオンのお達しも別に問題ない気がしますね。
説明の仕方に課題はあるでしょうが。。
イオンの件に関するポイントとしては
- どうせマスクじゃ守れない(科学的に守れるという根拠は今の所弱い)
- 接客業だと顔が見える方がいい(上の記事にあるように透明マスクが採用されていたりとか)
- 風邪やインフルエンザっぽい時は休んで(上司が休ませて)下さい。そこでマスクで無理したら逆にパンデミックになっちゃう。普通のマスクは隙間だらけですからね。。
かしらと。
まぁ個人的には、女性の場合はマスクしてると美人に見えて(妄想補正)テンション上がるから嫌いじゃなかったり、、、。
一方、男の人がマスクなら、表情が見えないところにちょっと怖さを感じるかな。時期的に見慣れているとはいえ。
じゃあ、マスクに意味はないのか・・・?
少なくとも日本で生活する上で、人混みに出る人はマスクをしないよりはした方がいいかと個人的には思います。
ポイントは3つ。
- 喉うるうる効果
- 周囲の人への精神的配慮
- やらんよりはやった方が効果。
前提として、どうせマスクじゃ守れない、、けど、やっぱりマスクすると喉うるうるになって楽。喉にもいいはず。
で、こんな論文はあるけど、やっぱり世間の多くの人は
「マスク=予防」
という考え方が主流。
「マスク=引いてる時に、周りの人への感染予防」
がおそらく正しい位置づけですが、そんな正しさで周りの人と無駄な軋轢(あつれき)を生む必要は無いですしね。
ということで気遣いマスク。
そして、現時点でも信頼性は高くないものの効果がありそうという論文もあるし、数年後に実は効果があった!という論文が出る可能性もありえる。
科学の世界はある種そんなもので、それが日進月歩とも言える。
マスクをするなら
少しでも効果を増すように隙間をなくすのがポイントの模様。
ご参考。
まとめ:感染予防には
今回、色々調べた結果、個人的に今後意識していこうという内容をまとめてみる。
まず予防。
どうしても風邪などにかかったとき。
- 栄養と睡眠
- 外に出る時はマスクをピッタリ
- 自分の鼻をかんだりした後は手を綺麗に洗う
皆様も、コロナウイルスがパンデミックになってしまう【かもしれない】という前提で、色々と対策を早めに打っていきましょう。
最後に、そもそもの話
例えばなにか気になるニュースがあった場合に、
- そのニュースが本当なのか?
- 違った見方ができないか?
- 危ないとしたらどのくらい危ないのか?
といったことを、データを使ってサッと確認できると便利。
データで確認なんて毎回やっていられない!と感じられるかもしれませんが、慣れてくると、ちょっと見ただけで「違和感」を感じ取れるようになります。
「違和感」のあるお話は、眉につばをつけて読んで(聞いて)、必要に応じて自分で確認するというサイクル。
もちろん仕事でも役立ちます。「データをロジカルに分析して定量的に結論を出すというスキル」があれば、
- 給料やボーナスが増える
- 圧倒的短時間で成果が出る
- みんなから一目置かれ、頼りにされる
など、メリットしかありません。
このブログでは、こういった統計的なお話をドンドンしていきたいと思いますのでぜひお読み頂けますと幸いです。
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