入門「統計」のお部屋

わかりやすく「統計」についてお話します。

【注意】今年のインフルエンザは早い!と「比率」について本当のお話。

はじめに

 本日は、

  • インフルエンザ検査に2日で3回も行ったお話、
  • 今年のインフルエンザの流行は早い!というお話
  • 統計的な「何%」ということに対する意味合いについて、2つの題材を例に説明

という流れでお話します。

 3つ目の「何%」は、専門用語でいうと「比率」ですね。

 「比率」について詳しく知っていると、ニュースで見聞きする、もしくは仕事で出てくる「比率」に対する感度が上がり、

  • ちゃんと「比率」の意味を確認する習慣ができ、判断の精度が上がる(騙されにくくなる)
  • 相手がいる場合、「比率」の意味についての質問ができるようになり、あなたに対する見る目が「こいつは鋭いぞ」に変わり、ひいては評価が上がったり待遇が改善される
  • 自分で考えをまとめたり、資料を作ったりする際、正しい「比率」を使えるようになる。その結果、「強い」シナリオ作成ができるようになり、人を巻き込むことができ、成果に繋がりやすくなる

というような効果が期待できます^^

 

 というのも、定量的な数字(人数とか面積とかお金とか)に比べ、「比率」(今日出てくるワクチンの有効率とか降水確率、他に視聴率など)の取り扱いは、ちょっとだけむずかしいからです。

 「比率」は、その定義、つまり何に対する何の比率か、の決め方によって、いかようにでも見せ方を変える事ができるという特徴があります。

 よって、「比率」は、使う側からすると便利な道具である一方、見る側からするとその意味について確認が必要、という要注意なアイテムです。

 

 ということで目次から。

<目次>

インフルエンザ検査の右往左往

  2日で3回も病院にいきました。すべてインフルエンザの検査。結果は全て陰性(=インフルエンザではなさそう)で一安心。

 生後11ヶ月になる子供が保育園で風邪をもらってきて、その子の咳やくしゃみを私の顔面でもろに受ける日々を過ごしており、そのまま風邪をもらった様子。当たり前か。。

 今年の4月にもインフルエンザにかかったので、年に2回は困るー!と思ったけど、今回は何とか逃げ切った模様。

 

 3回も検査に行った顛末は、まず1日目起きた時に熱っぽくて、体温を測ると38℃以上あり、急いで病院へ。インフルエンザ検査をすると陰性という結果が出て一安心。抗生物質の処方箋だけもらったけど、まぁいいか、と薬はもらわず、水分をとりながら布団にこもる。

 夕方16時くらいに、多少下がったかな?と体温を測ると、なんと左39.2℃、右39.7℃あり、あーやばいこれはアウトやなーと。

 とにかく16時半に開く病院に駆け込む。これが2回目。診察時間の関係から、2回目は違う病院へ行くことになった。

 改めてインフルエンザ検査してもらうも、結果は陰性!

 ただし、熱が出てから12時間たたないと正確な結果が出ないこともある、ということと、こういう感じで結局インフルエンザでない人が最近何人か来られている、という説明を受ける。会社もあるし、家には0歳児もいるので、翌日の朝一に念のための再検査をお願いすることに。

 ちなみに、この病院での処方は葛根湯でした。差が激しい。

 夜中じゅう、熱でうなされたり寝たような寝てないような感じが続くけど、とにかくポカリとお茶を飲んで汗をかきながら朝を待つ。。

 なんとか翌朝になると、熱は37℃台まで下がっていて、体も楽に!これはインフルエンザではなかったかーと期待しつつ、予約もしていることだし改めて病院へ、

 結果は「陰性」!高熱の後遺症でなかなか動けないものの、頭もはっきりしてきて長引くことはなかったー。とりあえず37℃ちょうどで推移しているので完治までは油断せずいきます。

 

 ということで、今年のインフルエンザにまつわるお話と、統計的なお話をすべくこの記事を書いています。

  

【注意】今年のインフルエンザは、早い! 

 インフルエンザの流行り具合のデータをみたところ、今年は現時点(12/13更新データ)で例年の倍くらいの報告数が出ている!
f:id:kohei327:20191219192018j:image

国立感染症研究所*1

 

 

 見にくいので拡大します、

 見方は横軸が週、縦軸が報告数。


f:id:kohei327:20191219192601j:image

 濃い赤の■が今年、2019年。

 世界的に大流行だった2009年(薄い黄色)を除くと、今年は例年の倍くらいのペースで推移している。

 

 このまま伸びるのか、ピークが増えるのかはわからないけれど、現時点で例年より多くなっている。

 周りでインフルエンザが流行っている、という噂が出てるところも多いかとは思いますが、全国的にみて、例年に比べ増えているのは間違いなさそうなのでご注意をば!

 

インフルエンザ対策

 対策としてできることとしては、

・手洗い

・加湿

・急速と栄養

・人混みにいかない

・予防接種(賛否はありますがリスクを下げてくれるのは間違いなさそう)

などですね。*2

 

「比率」の事例①予防接種の「有効率」の意味

 

 予防接種について、今回私が初めて知ったのは、予防接種って意外に効果が大きいということ。

 

 それを支える「効果の数字の意味合い」について、誤解していた。

 例えば有効率75%!と聞いたら、なんとなく(予防接種をしたら4回に3回は止めてくれるのか、、)と思う。

 

 でもこれは、一人に対しての数字でなくて、予防接種打ってない人のグループと打ってる人のグループの差。

 

 つまり、

  • 予防接種無しで100人中20人がかかってたとしたら、
  • 予防接種有りで100人中5人に減った

ということらしい。

 (5/20=0.25、つまり減らなかった分が25%、

  1-0.25で減った分=有効率が75%)。*3

 

 これをうけて効果は4倍!ともいえるし、そう言っておられる記事もある。*4

 

 

「比率」の事例②比率って難しい。降水確率の意味?

 こういう「何パーセント」っていうのは、意外と難しくて本当の意味を知らない場合が多い。

 たとえば降水確率でも話のネタになるくらいに、本当のところが知られてない。

 

 降水確率には、

  • 降水量(降水確率が高いとたくさん雨が降る?)
  • 面積 (地域の中で何パーセントの面積が雨?)

などは関係していない!

 

 実は、意味合いとして

【対象地域で、同様の気象状態が100回あったときに1mm以上の雨が降る回数】

で定義されている。

 つまり、「降水確率30%の日」が100回あったら、そのうち30回は1mm以上の雨が降るよね、っていうこと。

 

 一桁目は四捨五入されるので

  • 降水確率0〜4%が0%と表示され、
  • 降水確率95%〜100%が100%と表示される。

 

なので天気予報で0%でも雨が降ることはありうるし、

100%でも振らないことはありうる。

 

まぁ良くも悪くもそういう数字ということ。

 

インフルエンザの予防接種について考えてみる

 話を戻してインフルエンザの予防接種でいうと、

  • 個人レベルで、統計的には打ったほうが良さそうに見える。
  • 社会レベルで、インフルエンザの拡大を抑える意味なら80%以上の人が打つべし*5

みたいやけど、現状そこまではいってないみたい(そもそもワクチン製造量がおいつかないという話も?)。 

 ただ、ハイリスクグループと言われる方は特に注意!(ワクチンとか出かけるのを減らすとか体力つけるとか、、)

季節型インフルエンザの高リスク群について*6

  • 5歳未満の小児
  • 65歳以上の高齢者
  • 18歳未満の若年者で、アスピリンの長期投与を受けている場合、インフルエンザ後に Reye 症候群を来す可能性がある。
  • 妊婦
  • 小児および成人で、慢性の肺、心血管、肝障害、血液疾患、神経疾患、神経筋疾患、
  • 代謝異常を基礎疾患として持つもの
  • 小児および成人で、免疫抑制状態(ステロイド等の薬剤投与、AIDS)にあるもの
  • 養護施設、その他の慢性介護施設居住者

 

 

まとめ

 ということで本日は、インフルエンザの流行りが早い!というお話から入って、「比率(何パーセント)」っていうのは定義が難しい、印象で判断しないこと、というお話をさせて頂きました。

 

 そもそもの話

 なにか気になるニュースがあった場合に、

  • そのニュースが本当なのか?
  • 違った見方ができないか?
  • 危ないとしたらどのくらい危ないのか?

といったことを、データを使ってサッと確認できると便利。

 データで確認なんて毎回やっていられない!と感じられるかもしれませんが、慣れてくると、ちょっと見ただけで「違和感」を感じ取れるようになります。

「違和感」のあるお話は、眉につばをつけて読んで(聞いて)、必要に応じて自分で確認するというサイクル。

 もちろん仕事でも役立ちます。「データをロジカルに分析して定量的に結論を出すというスキル」があれば、

  • 給料やボーナスが増える
  • 圧倒的短時間で成果が出る
  • みんなから一目置かれ、頼りにされる

など、メリットしかありません。

 このブログではこういった統計的なお話をドンドンしていきたいと思いますのでぜひお読み頂けますと幸いです。

 知りたいことがもしあれば、ここのコメントに記載頂いてもいいですし、下のアドレスからメールにてご質問頂いてもご回答させて頂きますので良かったらぜひ。今ならキャンペーンでプレゼントもご用意しています。

 

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