エンジニアの生き方について(令和ver.)
各メーカに、友人がいる。
多くの友人が、
エンジニアからキャリアをスタートし、
同じ会社でエンジニアから業務が変わった人もいる。
中には転職もして、複数の会社を、中から見てきた人もいる。
僕自身は転職していないものの、
エンジニアの業務だけでなく
全社的な業務(経営的、海外も20回以上)も含め、
幅広くガッツリ仕事をやってきた。
色々な方と議論し、
だんだんと見えてきたことを、
今後の予測も含め、書いてみようと思う。
書きたいポイントとしては、大きく3つあります。
1.研究開発の短納期化、高度化による分業制の進展
10年前くらいに聞いた話が、
ロケット開発で今やロケット全体が見れる人がおらず
トラブル解決がもぐらたたきになってなかなか進展しないというもの。
イメージは開発の「工場制手工業」化。
短納期で、前の製品を上回る性能を有する製品を開発しようとすると
チームで分業して開発を行う必要がある。
というか、一人で一商品を開発するようなことは大企業ではもうありえないと思う。
次。
2.その中で働くエンジニアの避けられない縦割り化
それが10年、20年と続いた結果、
各エンジニアは担当した部分はわかるものの
製品全体として見れる人の数が相対的に減っている。
全ての技術をゼロから作り直すのでなく
プラスアルファに注力するようになる。
専門家が突き詰めて各分野を高度化していった結果、
すべての分野に精通した人、というポジションに立てる人が
限りなく少なくなっている印象。
設計外注や、協力会社(まぁ世間のイメージで言う下請け会社ですね)に
丸投げしてしまっているところは
さらに顕著。
3.技術開発=売上・利益という構図の崩壊
商品によるが、 バブルの時代までは、
ほぼすべてのものが技術的に伸びる余地があり、
純粋に技術開発(純粋な燃費、効率向上や軽薄短小化)すれば
他社との競争力も増し、顧客満足度が向上していた。
現状、
とりあえず身の回りで買えるもの(家具、家電、自動車など)については
機能的に飽和しつつある。
たとえば液晶テレビも
「黒がどれだけ黒いのか」
競争になっていたり。
液晶テレビは技術的に見ると
光が漏れやすい構造になっていて
「黒がどれだけ黒いのか」
ということは技術力を表す指標。
さらに、映画など見る時は
黒がしっかり黒いことは
とても重要といえる。
しかしながら、
通常のバラエティなどを見るときに誰が気にするのか。
色や光を見る専門スキルがある人が
仕事のテンションで見たら
わかるだけの差。
果たしてそこにお金を払ってくれる人が
どれだけいるのか。
技術開発=売上・利益という単純な構図でなくなっている時代。
まとめ:ではエンジニアはどう生きるのか
短期と中期、長期に分けて考える。
短期(~5年後)では何とか過去の資産を食いつなぐ形で
仕事がなくなることはないと思われる。
しかしながら、現時点で色々と失敗しながら発展している
中国やその他東南アジアの国に技術的にビハインドを取ってしまう。
そこの悔しさを噛み締めながら、打ち勝つようにチャレンジして
新たな商品を生み出し続ける必要がある。
中期(5~15年)では一旦底に来るかもしれない。
AIの進展で開発業務が激減、
残るは実際のものづくりとのインターフェースのみ。
ものづくりに投資している会社、
もしくは、
実際に試作~量産に触れているところしか残らないのでは。
量産も自動化されてしまい、いわゆる現場が激減。
長期(15年~)で、今一度エンジニアが必要になる。
それまでの自動化設備が老朽化してきて、
でもメンテできる人がいなくなる。
鉄の高炉を作る際にベテランを改めて呼んだように、
現場を知る人が強みを残すのでは。
上記はモノづくりベースでいこうとした場合。
エンジニアという立ち位置で、商品企画やビジネス構築にシフトすれば、
また違う人生が開けると思う。
果たして自分が扱っている技術や仕事が、
パソコンに置き換えられたそろばんのようなものなのか、
パソコンに置き換えられにくい感性/肉体的/経験的なものなのか。
必要性でモノが売れなくなる時代。
でも、モノづくりは今後もどうしても必要。
アメリカのラストベルトを先行事例として。
これからも自分と身の回りの人と社会全体を見据えながら
色々と仕込み~回収を繰り返していきたい。
そんなことも含めて、色々と議論する場を持っています。
30年~の長期的思考を積み上げながら
今日やることに落とし込み。
よかったらぜひご登録下さい。
仲間になりましょう。
キンドル本と動画セミナープレゼント
メルマガではブログでは非公開の情報を公開中です。更に知りたい場合は登録してください。